鯨が海底で唄う時

何ヘルツでも聞き分けてみせるから、歌ってよ

自身を時代の御者だと 自惚れるならば ~ Travis Japan アリーナツアー "Road to Authenticity" レポ

 

Travis Japanが2024年新春から5月にかけて全国ツアー"Road To Authenticity"を開催。今回は横浜2公演、名古屋、福岡、静岡に1公演ずつお邪魔出来たので、それぞれの感想を少しづつまとめて1つの記事とする。

 

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↑名古屋ガイシホール前。うみ担の母のうちわも。ちなみに母は自担に会う為に往復6時間夜行バスに乗った

 

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横浜アリーナ前。この日も母と年始の横アリを務めたトラジャを見届けた


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↑公演前のマリンメッセ福岡。一緒に現場は初な松倉担さんと。初マリンメッセ福岡と初尽くし


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↑公演後のマリンメッセ福岡横の港。ピンクに光ってるのが巷で話題の福岡タワー。博多行のバス待ちの列で撮れる写真


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↑静岡エコパ前。こちらも前述のまちゅ担さんと。トラジャのライブは早く入るに越したことは無いので列に並びながらすぐ写真撮る

 

念願の自担プロデュース公演なので全体に触れたいと思いつつ、やはり自担中心のレポになっている気がするのでお断りを入れたい。

 

DRIVIN' ME CRAZY

 

'Okie Dokie!' #RoadtoAuthenticity #TJConcertTour2024 - YouTube

↑曲は違うけど衣装はこれ。めっちゃ良い曲なので衣装だけでなくそちらもチェケラして欲しい

 

自分、PRINCESS PRINCESSみたいに全員がバラバラな衣装着て共存してるみたいなカッコイイ人達マジで大好きなので、初っ端がこれは痺れた……。のえるくんがグループカラーの紫を着てるの、めっちゃ背負っててあっ……本日も何卒やってやりましょう……の気持ちになった(?)。うみの衣装、どストライクな人多そう。でもどれものえるくんも着てておかしくなくない? になったのってやっぱり欲目なんすかね……。

 

Seasons of Gold

 

のえるくんが今回新たに振付した唯一の曲。バラードに相応しいバレエっぽいコレオだった。でもやっぱり強そうだから不思議。のえるくんの強いところは、強いだけじゃないところだと思う……この辺上手く言えないが……。

 

ストーリー性のある振付なのも気になった。途中、まちゅが中心に来て、しゃがんで、差し伸べられた手を跳ね除ける。大サビ前でまちゅに再びピンスポットが当たり、最後は跳ね除けたはずの手をみんなと重ねる……というもの。トラジャは自分のコレオに責任を持つ形でセンターをやる事が多いのだけど、今回はそうじゃなかった。

 

単純に自分がプロデューサーで、表現するポイントが多いからやらなかった、では無いように思える。前に、「メンバーで1番、自分に近いのはまちゅ」とのえるくんは言っていた。ただでさえ憑依型と言われるパフォーマンスをするまちゅに、もしその辺りを委ねたのだとしたら……今なら「男たちの挽歌」をやった2人として、だけでも泣ける。

 

So Sunday

 

前の曲が終わるなり、ジャンケンを始めるメンバーたち。グー、チョキ、パーに別れてそれぞれ固まってセンステからバクステ方面へ動くムービングステージの、バクステ側に座って水飲みながら歌う。そう、ムビステの角が水入れる為にパカッ、って開くんだよ。これ画期的すぎない……?

 

それだけじゃない。今回メンステのモニターの上の細い長方形のモニターに、振り付けした人の名前が載る(曲によっては誰がプロデュース、衣装担当、作詞とかも書いてあった)というトラジャらしい配慮があるんだけど、この曲はしめしずなんすよ。休憩が様になるように振りつけたしめしず、それに合わせた曲なのも最高なしめしず……。

 

Bro:)

 

'Bro :)' #RoadtoAuthenticity #TJConcertTour2024 #Machu #Genta - YouTube

 

MC明け1発目から松松パンチ。強すぎる。いいから↑の動画見て欲しい。それだけで良い、良いけど、それだけじゃない何かが↑にある。

 

Day Off

 

'Day Off' #RoadtoAuthenticity #TJConcertTour2024 #Chaka #Noel - YouTube

↑見てくれ

 

作曲 川島如恵留、作詞 のえちゃか、振付 宮近海斗。棲み分け出来てるな、と思ったらのえるくんが概ね作った歌詞に括弧があって、そこをちゃかちゃんが埋めたのだとか。確かに、耳から入ってくるものはのえるくんっぽくて、でも目の前にはちゃかちゃんの世界観が広がっていた。

 

バクステ側からメンステ側へ行くムビステでパフォーマンスは展開。靴の底がめっちゃ見える席に居た日もあったのだけど、全然すり減ってなくてどうやって踊ってるの……? となった。まあ、これは全員に言えること。しずだけつま先が擦れてて歩き方……!! となった。

 

その席で思ったのは、のえるくんのダンスのダイナミックさ。アクロバットの時の足音がすごい。でも他は良い意味でそうでもなく、靱やかで。すごいことやってるけど、音で威嚇するんじゃなくて、身体全身で観てる人に圧かけてる。優しいだけじゃないこの歌の、強さをダンスで間違いなく表現してた。アプローチが違うだけで、ソロパート踊るちゃかちゃんも似たものを感じた。方向性がそこなのかもしれない。方向性があってるから、間奏の、朝起きて……なダンスが見てて気持ちよくなる。

 

Paranoia

 

振付しめしず、プロデュースがうみ。うみがプロデュースしたと思うと感動するポイントがある。特にスクリーン。2010年前後の嵐やエイトっぽさを仄かに感じるのだ。多分、うみと同世代(90年代後半生まれ)はあっ……ってなると思う。信じてきたものはずっとここにあるし、この人たちはそれを見て跳ぶんだよな……。

 

'Paranoia' #RoadtoAuthenticity #TJConcertTour2024 #Umi #Shime #Shizu - YouTube

↑言及してる後ろのスクリーンはあんま見えないけどせめて演出と好きな人には堪らないダンス見て

 

Till The Dawn

 

ただでさえ曲が好きなのに、演出でもっと好きになってしまった。まず、真っ暗になった会場にゴールドの照明がぽつんと灯る。そしてどこからかシャンパンが開いて、注がれる音がする。イントロのドラムが一音、ギターサウンドが加わった瞬間にその照明は更に増えて、スクリーンにあのシャンパンの泡が見える。赤いシャンパンなんてオシャレなの飲んでるな……と思ったら、その中に7人がゆっくりと落ちていくのが見える……。そこでトラジャが歌い出す。え、ここまで書くだけで好きなんですけど……。

 

その後のスクリーンの世界観がまじでセーラームーンクリスタルパレス。ムーンキャッスル。センターにいるのえるくん、ブロンドとスタイリッシュさでまじセーラーウラヌス……世代じゃない方は是非調べて……本当に恋するよ……のえるくんに(?)。曲のラストののえるくんの大サビソロパートに連れて両端から暗くなっていって、最後にのえるくんの所だけ明るくて。のえるくんが"dawn"と歌うと、静かに幕がまた両側から閉まるように暗転する。ねぇ、作ってくれたのえるくん、貴方ってば……。

 

Love Tag

 

自分がブログを書く時、公演後に思ったことをとにかくこのアプリの下書きに殴り書きよろしく、ほんでぶち込むのだけど、この曲のメモが以下の通りだった。

 

ああああ、めっちゃ好き。

 

まあね、元々この曲好きだからね。Till The Dawnもそうだけど。でも、パフォーマンス見てもこの感想しか言えなかった。ゴリゴリのダンスが前半に詰まってるけどダンスにおけるキルパートやLove Tagポーズが最高に決まってて。でもサビはゆったりめに取ってるんだよね。振付して下さったKis-My-Ft2・千賀くんの優しさなのかな……。でもそれが、きっつい筋トレのインターバルみたいでハラハラするものにも見えて。どんな意味にしろ、Love Tagの曲の良さや世界観そのものになってた。

 

'Moving Pieces' #RoadtoAuthenticity #TJConcertTour2024 - YouTube

↑衣装も千賀くんプロデュース。最初にのえるくんが1人で着てたグループカラーの紫を、メンバーみんなが着てるのが良い

 

お土産タイム

 

アンコールの最後の曲がお馴染み「Together Now」でこれまた泣けるのだが、その前の曲に粋な演出がある。それが、「お土産」と称して日替わりで1曲撮影出来る、というものだ。

 

という訳で、このお土産をここに置いて行ってから、結びの章に繋げたい。

 

https://x.com/coyk_coyn/status/1789679499216551954?s=46&t=OUkrmmHddLI9LQoSfxS0qg

 

https://x.com/coyk_coyn/status/1789680560572649960?s=46&t=OUkrmmHddLI9LQoSfxS0qg

 

https://x.com/coyk_coyn/status/1789681857753436204?s=46&t=OUkrmmHddLI9LQoSfxS0qg

 

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所感

 

今回のツアー中、2回目となるAGT挑戦が挟まれた。とんでもないことだ。全開の武者修行中とはまた違う。準備も環境も、本当に限られた中だったのでは無いか、と思えても、心境まで想像するとなると、挑戦する事の質の高さと自分の人生の経験値が釣り合っていない。

 

2回の挑戦の間に、アバンギャルディさんも出場されていた。度肝を抜かれた。周りの人に薦めまくった。でも、この2組のAGTの公式Twitterへの英語でのリプライを自分は見てしまった。

 

アジア人差別がとにかく絶えない。アジア人ばかりだから最近は見ない、とはっきり、沢山書かれてた。ここで特記する事じゃないことぐらい分かっている。ここに言及するのが如何に自分らしくないのか、痛いほど分かっている。ただ、言いたいのはここからである。そんな環境で日本のエンタメが進出してる事だ。

 

渡米するTravis Japanに嵐の二宮くんが「韓国がとか、日本がとか競うんじゃなくて、今アジアが凄いんだから、みんなで一丸となって盛り上げたいよね」と素敵な言葉を贈ってくれた。同じグループのメンバーの相葉くんは、トラジャとアバンギャルディさんとえなりさんと歌って踊ってくれた。久々の機会を、一緒に迎えてくれた。

 

とんでもないことに挑戦してる。差別が遠くに思える単一民族国家で育った皆様が、絶対もがいてて苦しいはずなのに、こんなに笑顔になれる場所を作ってくれている。なんと安心出来ることだろう。ずーっと続いてくれないか。でも、それだけ大変なことなのだ。止まってしまったらうん、良いよ良いよと思える自信がある。大変だもん、絶対。もちろん続けるのもうん、良いよ良いよだけど。

 

トラジャのエンタメがとんでもなところまで進出してる中で、「トラジャのエンタメ浴び放題!!」みたいな全国ツアー。日本に住んでたから……という理由でこれだけ巡り会えた。もうそりゃ、世界、何処へでも行ってくれ、俺だけのものにはとても出来ない、となった。

 

総合演出の川島如恵留Pが、のえまるで言っていた。

 

自慢の、満点の子でした

 

そりゃあな。そうだろうな。可愛くて仕方ないだろうなぁ。凄いもん。でもね、誰から観てもそうだと思う。とんでもない子を……ありがとうね。本当に。そういうのをこんな、いくらデビューまでが長いたって、何年経ったって作れない人の方がこの世に多いんだから。絶対にね、そんなすごいものを見せて、魅せてくれる、いつかきっとくる平和の為に戦うあなたを、あなた方を、どうか応援させてくれ、と振り返って書きながら思うのだ。

 

ここまでお読み頂きありがとうございます! 薮宏太くんのオタクとしてもブログ書いてます。是非に。↓

鮫が空を泳ぐ時

あこがれは ただの幻じゃない ~ 音楽劇 A BETTER TOMORROW 男たちの挽歌 レポと感想と

 

Travis Japanのアーティスティックコンビ、川島如恵留さんと松倉海斗さん、のえまちゅが音楽劇「A BETTER TOMORROW 男たちの挽歌」のW主演を務めた。今回はあまりにも面白かった物語とその感想をつらつらと書きたい。

 

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↑東京公演の会場、日本青年館ホール。ホテルなどと併設なので中にカフェとファミマがあって建物内でほぼ解決した

 

↑外のポスター。反射と入場列と戦いながら毎回多くの人が撮ってた

 

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↑劇場内にもポスターが。なんならこっちのが大きいし2箇所あった。優しい現場

 

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↑グッズのトートバッグ。ピンクと全2色。でかい。

 

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オリックス劇場の中と外。3階席からでも床がよく見えて、水溜まりのシーンなどちゃんとはっきり見える。ここで上演される、観劇出来る喜び

 

自担デビュー後初の演技仕事、大切な思い出としたい。丁寧に書くのでとても長いが、御付き合い頂ける方のことも大切にしたい。

 

尚、以降はシーンを掻い摘んでるとは言え、ネタバレに絡めてしか感想を書けていない。気になる方はスルーすることをオススメする。また、のえるくんやのえるくん演じるマークを中心に書いていく。モヤモヤされる方もいると思うので、お断りを3つ入れておく。

 

第1幕

 

席に着いてステージに目を向けると、幕ではなくスクリーンが下りている。どこからが汽笛の音がしたかと思えば、一艘のボートにマークとホーが。のえるくんが演じるマークを一言で言えば、お調子者。北京から来た密入国者なのに大声で叫んで見つかるんじゃ……? と会場内を不安にさせたり、海の上で踊って勝手に溺れかけたり。

 

極めつけは香港に来たきっかけ。香港にいるシンというペンフレンド、すなわち文通相手に「よ、ろ、し、く、ね」と書いたのだけを当てにホーを誘って来てしまったのだ。そんなんだからホーはマークに帰るぞ、と船をバックさせる。あのトラックの音声で。

 

耳元でイケボで口説いたり(セルフリバーブ付)、もう書いててよくわかんない行動でホーに説得を試みるマーク。折れたホーはマークと船を前進させる。OP映像を見つつ、マークのソロ曲とダンスの余韻があるから信じられない。

 

大学を卒業したキットの為に、兄であるホーは父と弟を高級料理店に招待する。集まりにちゃっかりマークもいる辺り、ホーにとってマークって大切なんだな、と。ちなみにここから場面転換するまでマークは書くのも阻まれるような下ネタのオンパレード。しょーもないとこも好きだけどね。

 

見た人には分かる話↓

https://x.com/coyk_coyn/status/1808006015188885746?s=46&t=OUkrmmHddLI9LQoSfxS0qg

 

香港に来て大はしゃぎのお父さんを見たキットは「病院でもう1回診てもらった方が良いよ?」と失礼な言い方なのに素直に思ってそうで怖いぐらい愛くるしい。自分でもそう言うくせにホー見るなり「にいさああああああああん!!」と舞台上をシャトルランしたり、窓見てバカデカボイスで叫ぶからオモロい。お父さんは言われた言葉を息子に返す権限があると思う。

 

平和と裏社会は隣り合わせなのかもしれない。神保悟志さん演じるキン、その息子であるブラッキーとシンが料理店に現れる。マークとホー見ると普通の人? になるけど、この親子3人の格好がもう完全に反社で、そっか、2人もこの人と仲間なんだ……と実感させられる。

 

キンの実の息子であるシンは頼りなく、後に再婚相手の連れ子であると判明するブラッキーの方がキンやマークと上手くいってるようだ。マークなんかあからさまにシン軽蔑してるもんな。真っ直ぐすぎるよ。

 

キットの「北京にあのまま居たら兄貴は豚箱、父さんと俺は重労働させられる」、マークが「拳銃を突きつけられたことはあるか? 俺はあるぞ。5年前……」と言いかけてホーに「マーク!! 昔の話だ」と牽制され、「昨日の話だ!!」とマークが言い返すなどのやり取りから、ああ、あの事件の影響が色濃く残ってるな……それでこの人達、香港に来たんだ……と思うと、前半の意味合いも変わってくる……となった。

 

ホーに足を洗えと忠告していたキッドの父親が突然、胸を抑えて倒れ込む。それを見たマークは助けを呼ぼうとするも、ホーの上でおどけて見せて嘘だと笑って見せる。後ろで一瞬だけ見えるシーンだけど、ここで確信した。マークは優しい。そんな父に「最後の仕事だから」とホーはシンと台湾へ行く。

 

 

スクリーンが下りると同時に事態は一変。なんと、ホーは取引の最中、香港警察に追われる羽目に。仲間想いのホーがシンたち部下を必死で逃がし、自分ただ1人だけが捕まってしまう。しかし、シンだけが逃げる途中で拳銃をこっそり出し、ホーの方をちらっと見る。ここでシンが裏切ったのだ、と観客の神視点で分かる……。

 

さらに、キンの組のジャッキーが、キットの目の前でお父さんを刺してしまう。絶命寸前の父からホーが自分達の為にヤクザになったこと、逮捕されたこと、取り調べで組のことを話さないよう人質としてお父さんが狙われてしまったことをキットは聞かされる。

 

マークとキッド逆じゃない? ってちょっとだけ言われてたけどまちゅの演じるキッドはまっすぐだからそれでしかないじゃん、となって。だって、お父さんが「ホーを憎むな」って言って死んじゃったのに、目の前でお父さんが死んでしまった悲しみを一心に受けて、戸惑う間も無く兄を憎むんだもの。しかも、警官である正義と取り違えかけてしまうほどに。それはもう、まちゅが適役じゃん……。ねぇ。

 

 

場面は偽札の工場へと転換。白衣を着た部下は偽札を作り、ボスは偽札を湯船に貯めて浸かったり出たり踊ったり歌ったり……舞台の2階部分から部下を見下ろしてるのも含めて、まあ、ある意味で怒りを憶えるシーン。シャワータイムなんでパンイチでタオルもお札の柄なんですよね。はぁ。

 

そこへスーツに派手なシャツ、革のブーツにやっぱりスキニー、そしてガラスの小さいサングラスのマークが現れる。台に椅子を乗せてその上からボスに向かって「兄貴をハメた裏切り者がいる」「始末させて欲しい」と叫ぶ。

 

シンはブラッキーがやったと言い張るが、マークはキンに確認して初めてブラッキーを憎む。ボスに只者では無いと思わせる為なのか、マークは話半分に偽札に火をつけて煙草を吸い始める。シンに恨みを買われるレベルの威圧を見せながら、マークは1人で飛び出す。

 

観客はここのキンとシンの会話でブラッキーはキンの後妻の連れ子、誰とも血が繋がってないと分かるんだけど、直前にマークはブラッキーを「血を分けた家族ですよね?」ってキンに聞いてるんだよね。知らないフリをしてたのかな。

 

スクリーンには香港の夜景が映る。車高が低いなぁ、マフィアの車だなぁと思ったら、バイクでマークが登場。嘘だろ。おい……二輪に跨る自担見られるのかよ……。

 

それだけじゃない。またマークのソロ曲。最初の曲でもアウターを翻すところはあったんだけど、さっきのは「はらう」って感じで、こっちは「捌く」イメージ。そうだよね、夢と希望を持ってここに来た人と、「裁く」為にここに来た人と感情や仕草が一緒な訳無いよね。この違いが、香港に来たマークがどんな想いで生きてきたか、成長というか変化というか……明らかにあの時のマークじゃない人が目の前にいる、というのを感じさせる。

 

ブラッキーが現れるなり、何故組を裏切ったか問い詰めるマーク。「俺はやってない!」と言い張るブラッキーに拳銃を向ける。「5秒数える前に本当のことを言え!! 5!!」「シンやー!!」「早ぁーっ!!」……え、ここでコメディまた挟むの!? でもブラッキーとその手下は何故かマークを撃ち始めて、1 vs 大勢の卑怯な構図に。

 

のえまちゅの2人が同時に出る意味が、アクションのシーンにあると見た。キッドのアクションは、感情と演技が技の上に乗っかってる。マークはアクション自体の質の高さで、シーンに躍動感を与えたり、場面転換のアクセントをつける。

 

圧倒的不利な戦況だったにも関わらず、マークは遂にブラッキーの首にナイフを刺す。一仕事終えたマークがジャケットを再び羽織ろうとしたその瞬間、辛うじてまだ生きていたブラッキーがマークの右脚を撃つ。

 

声にならない叫びを一瞬あげるも、まだ「任務が遂行されていない」と分かったマーク、今度はブラッキーを撃つ。さらに、用心深くなり、本当に「遂行されたか」確かめる為、マークはブラッキーに向かって死体撃ちする。どんだけホーの兄貴好きなんだよ……。ブラッキーともあんなに仲良かったのに……。目的の為に手段選ばなさすぎるだろ……。そして、これ以上闇のえる見て引き換えにもう何も叶わないんじゃないか自分……?

 

ブラッキーを横目に階段を上がろうとするも、マークは右脚に力が入らない。そう見えた瞬間、筆舌に尽くし難い程の叫び声が上がる。先に書いておく。ここからのシーン、マークは、右脚を引きずって歩く。

 

7月2日の公演ではブラッキーが持った拳銃が何故か弾切れ、鳴らなくて、別の拳銃でマークを撃ってた。ブラッキーの対応力も、ずっと撃たれるの待つのえるくんの忍耐力もプロだった。

 

このあと、3年後且つキットのターンになり、ホーのソロ曲があって終わるのだけれど、気になるのならばそのシーンは是非松倉担さんの言葉で読んで欲しい。あの時会場でほろほろと泣いていた純粋な人、固唾を飲みすぎて幕間になってもしばらく動けなかった、そんな松倉担さん達の言葉で。

 

 

第2幕

 

と言いながらもビッグママの話だけしていいすか?(笑)。出所したホーの再就職先の社長なんだけど、まじで最高なキャラすぎる。演じる福井昌一さんは劇団四季出身なのだとか。不思議すぎるご縁。ちなみにABT関連雑誌でのえるくんは福井さんと共演してたかもしれない!! とまちゅに言っていたが、福井さんがTwitterで「川島くんに言われたけど僕はLKに出てないので初共演です」と世界一カッコいい言い方で訂正してた。ライオンキングってそう略すんや。

 

とにかくビッグママを持ち上げて、歌って踊る、ちょっとヤバいけど見ててハッピーになれる人達。このちょっとヤバい人達とビッグママは、ホーを「朋友」(日本語読み:パンヨウ)として受け入れる。

 

この「朋友」、仲間と訳されてたけど、自分が中国語習った時は友達以上家族未満、という意味合いだった気がする。ちょっとアツい言葉なんですよね。だから、そのシーンは触れないけど、ある人にもう1回ビッグママが言うシーンでちょっと、今書こうとしても言葉に出来ない感情になってしまった。

 

刑務所上がりで構成されるスクラップ工場で楽しく再出発出来ると思っていたホー。駅前の鳥メロで歓迎会よ!! とみんなで繰り出した、と思った次の瞬間。ホーは何故かシンと人力車に乗っている。

 

第2幕ではここで初登場するマーク……と思ったら、足を引きずりながら人力車を押している。服装も第1幕で着ていたスーツは愚か、香港に来る前のような服装。てか、足引きずりながらの人力車って……マフィアの恐ろしさがここにある。

 

さっきまで革靴でマッチを擦り、偽札とはいえお金に火をつけて煙草吸ってたのに、シンが落として渡したお金すら拾う様。展開の急転直下は速度制限を知らない。多分、ここを描きたくての、喫煙シーンだったんだろう。ブルジョワジーからのプロレタリアート

 

ホーは堪らなくなってマークに脚のことを謝ろうとする。「俺のした事だ」と紙幣を数えるマークに、「俺はキットに縁を切られた、だから家族と呼べるのはお前しかいない。俺たち兄弟分だろ?」 「何故、組を辞めない?」と言い出す。

 

ここ残酷なんだよな。だって「チャンスを狙ってる……」しか言わないけど、本当に本当は兄貴を待ってたんだよ。なんで気づかないかなぁ。

 

マークの視点で見た時の、このあとキットが来るシーンの辛さと来たら。キットはホーを見るなり職質。人力車でシンと会話してるところから見てるもんね。あまりに行き過ぎた捜査に、マークはキットを怒鳴りつけて突き飛ばすが、あの右脚ではやり返されてしまい、拳銃も突きつけられる。

 

しかし、立ち上がったマークはキットに「度胸があるなら撃ってみろ」と挑発する。料理店のシーン以来ののえまちゅ共演パートなのになんでこんな演技しがいのあるシーンなんだ。逆に辛すぎる。

 

見兼ねたホーが2人を引き離し、キットとだけ会話する。「北京を出て、親父が死んで、お前は俺の、たった1人の家族だ」。……この直前に「お前のことを兄弟だと思っている」ってマークに言ってたのに、え、やっぱり本当の弟であるキットには適わないの……? って自分が思う前にマークがそういう顔してホーの方振り向くんですよね。

 

家族がいないマークからしたら、ホーがかけがえの無い存在であって。結局、ホーはキットに相手にされないままどっか行かれるんだけど、マークにも「本当の弟のことを心配した方が良い」と忠告だけされて去られる。お人好しの欠点が全部詰まってて、見てるの辛い。何より、マークを見てるのが辛い。でも「俺はもう行く!! グズグズしてるとドヤされちまう!!」ってセリフと言い方がなんか、なんか好きでちょっと救われてた。マークっぽさにもう虜になってる自分を認識することで安心してる自分がいる。

 

キットのシーンすっ飛ばして次にマーク出てくるのってニセ札のデータ盗むシーンなんだ。書いてて気づいた。森の妖精さんとかのせいで充実しすぎてる、へぇ……。……森の妖精さん……? は、さておく。

 

という訳で机とか盾にしながらマークはニセ札のデータをシン達に追われながら盗みます。あなたはどのマーク派? やっぱ二丁拳銃? 僕はこのアサルトライフル派!! バイオよろしくぶっぱなしてて最高! 足引きずってるとは思えないぐらい最強! ありがとうホー!! この場面の敵は全滅でーす。

 

他のシーンで使われてるのはバイクなのにチャリで助けに来てくれたホー。免許持ってないんかな。血だらけのマーク抱えてくれてるからあんまり下手なことは言えない。

 

こんな時でもおどけながら「兄貴とイギリスで商売を始める!!」とニセ札を盗んだ理由をホーに話す。しかし、ホーはキンにマークのした裏切り行為を謝り、組にまた居られるようにするとマークの計画に乗り気じゃない。「イギリスに行く人には特別ビザが出るってよ!!」 「俺たち犯罪者にビザなんか出ねぇよ!!」 うん、それ以前に君ら密入国者だからね。

 

足を洗うためにマークと関わりたくないホーは組にいろ、と強く言い続ける。しかし、ここでマークの「今の俺のこの惨めな姿を見ろよ!!」という言葉が切なく轟く。「俺たち、ちょっと前までは三つ揃いのスーツ着て、ボルサリーノでキメてたじゃんか」。でも今のマークは、足を引きずり、前線からも程遠い仕事ばかりしている。あまりの扱いの差に「自分がボロ雑巾になった気分なんだよ」……そう、マークがニセ札を盗んだ真の理由は、自分の惨めな運命から脱する「チャンスを狙う」為だったのだ。

 

あんなに明るくてふざけてばかりで、でも「仕事」はきっちりしていたマークが、生きる意味を自分の中に見つけられなくなってしまった。立場もあるのかもしれないけれど、ホー以外の前でふざけた口調が聞かれない。いや、北京から船で来た時から、マークはそうだったのかもしれない。

 

家族が居ないマークは上だけを目指して生きていた気がする。失うものが無いと勘違いしていたのではないか。でも、実際には「地位」が、落とせば壊れるほど高いところまであった……。ずっと持っていた「明日を良い日にしたい」という気持ちも、「兄貴がいた頃の無敵の自分」へシフトして、ここで加速する。「無敵な自分」になる為には、この組にいるままではならないこと、兄貴がいることが、今の条件だというのだ。

 

マークの強い気持ちを真剣に聞いたホーは、なんと酔拳でマークを気絶させる。いきなり次のシーンでジャッキーはキットに暴行加えた上に誘拐。バイクで誘拐される演技がめちゃくちゃ上手かったの、まちゅ……あれ本当にすごい。今までもそうだけどこっからは本当に展開速い。

 

誘拐事件後、警察内部に裏切り者がいないと成立しない事件が連続する中、キットの上司であるジョンがジャッキーの目の前に現れる。そして、なんと、ジャッキーから金を受け取って握手を交わす。そう、警察側のスパイはジョンだったのだ。

 

あ、いや、シンがホーを陥れたって言うのが序盤にあったから、もっと大きなどんでん返しみたいなのが後半でもう1つあるのかな、と思ったら、まさかの。でもなぁんとなく言葉の節々から違和感あったような気もした。やっぱり……というか。まあ警察がヤクザと付き合いがあるなんて……ね。

 

展開はまだまだ目まぐるしく回る。ホーはやっぱりニセ札のデータをキンに返す代わりに金と香港を出る船を要求しようとするのだけど、何故かボスは死んでて、そばにいたシンにホーが犯人だ!! と叫ばれ、警察にまた捕まりそうになる。端的に言いすぎた上にまた端的なんですけど、ホーは一生はめられてもうてます。それ知ったマークは笑い止まらんくなってた。そりゃあそう。

 

ホーによると、このあと、もう一度ニセ札のデータを利用して船を出させようとシンに持ちかけたのだと言う。シンがあっさりホーの要求を呑み、取引に応じようとするのをマークは不審に思う。めっちゃマークに耳打ちしてぇ……キットが人質に取られてるからだよぉって……。

 

ホーは結局ニセ札のデータはキットに郵送したとか言い出す。マークは警察内部にスパイがいるのに信用して良いのか? といつもの調子で笑い出す。まだいやいや、「よろしくね」って手紙書いて香港来たお前が言うなよ。7月14日の夜公演では丁寧にハートマーク最後につけてたよ。何がペンフレンドだよ。それこそ届くかわからんだろ。てかどんなやつと文通してたんだよ。筆で。なんだこの、オモロすぎる舞台。ほんでキットは人質だよぉ……。

 

という訳で、ホーはキットのいる香港を出て、マークと共に移住を企てる。そのためにシンと取引するという直前、ホーは怖気づいてしまう。でも、マークは何のその。だって、兄貴がいるから。無敵なマークだから。無敵だから、「本当の弟」とかキットが言われててモヤモヤしてたのも、忘れちゃったみたいに燃えてるんだ。

 

お調子者すぎるマークは至って真剣に、でも情熱をもって「兄貴となら、何処へだって行ける! 月へだって行けるさ!!」と叫び出す。次第に鼓舞されていくホーも、マークの手を取り、遂に港へ向かう。しかし、そこにはシンと、ジャッキーと、ズタボロのキット……。

 

キットがシンを捕まえようとしたばっかりに、ヤクザの決まり、銃撃戦が繰り広げられてしまう。その最中、確かにシンはホーを撃った。倒れるホーの前にマークは立ち、怒りのままにアサルトライフルを再び放つ。お互いが弾切れになったところで、停戦する。

 

マークはホーに一生懸命、死なないで欲しい、生きて、と懇願するも、ホーは諦めモード。そしてホーは力無く、キットに「今夜のことを全て俺のせいにして、マークを見逃して欲しい」と頼む。そうして倒れるホーを見てマークは、兄貴、とずっと叫び続ける……。結局、ここでもあまり構って貰えない、でも大事にされているマーク……。

 

ここで一旦本編に触れるのはストップしたい。ただ、どうしてもあのセリフを、伏線を回収したシーンだけ、ここに記しておきたいので、そこだけ書いておく。のえるくん、まちゅ、青柳さんによる「Fly to the Moon」だ。

 

そう叫んだマークは、キットとホーを連れて倉庫の上によじ登り、手榴弾を2つも投げ飛ばす。その爆風で、なんと、3人は、飛ぶ。結構、月の近くまで。まさかの、フライングシーン有りの音楽劇。マークはキットとホーの運命で、全てだった。そして、観客の希望だったんだ。やることちゃんと筋通してやるんだよ。熱意で、魂で生きるって、マークのことだったんだ。

 

 

 

所感

 

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初日、会場に行く途中で虹を見つけた。見つけた瞬間、「Namidaの結晶だ……」と静かに震えていた。

 

虹のかかる 雨が上がった丘で

僕は何を見ているだろう 誰といるのだろう

まだ見ぬ世界

 

デビュー前のオリ曲の歌詞を思い返せば、今、2人は丘の上に充分いると思う。これからもきっとトラジャは高い丘に向かうのだろうけど、今は今で、虹が見えたのだろう。

 

ここまでもそうと言われてしまいそうだが、もっと個人的に運命を感じたことがある。この後、ランダム再生でL'Arc~en~Cielの「READY STEADY GO」が流れた。バンド名はフランス語で「虹」を意味する。Noëlもフランス語だ。

 

加えて、この歌詞にも「丘」が出てくる。そして、のえまちゅを重ねたり、マークとキッドを思い出したり、のえ担として受け止めたり、そんな歌詞が颯爽と流れてくるのだ。偶然と思いたくない。1回だけでも聴いてみて欲しい。

 

話を戻したい。 見えたのは月だったかもしれないけれど、その眼下には沢山の人が唖然として見ていた。それだけの人がついて来ているのが、2人は見えていたはずだ。デビュー前に「まだ見ぬ世界」と称していただけのものに、間違いなく匹敵する。

 

ここからは、のえ担の矜恃としてのえるくんにフォーカスして特記していく。関連雑誌の中で、のえるくんは繰り返し「マークは自分と違うキャラと言われているけれど、アイドルじゃない素の自分に近い部分を感じる」という旨を伝えていた。この発言を踏まえた上で出会ったマークは、確かに最近顔をチラつかせてくれる、「アイドルなだけじゃない」のえるくんだった。無論、小学生も今どき言わないような発言が多い方ののえるくんを知っていたか、と言われれば、そういう話じゃないとだけ言いたい。

 

ただ喋るだけでも伝わることに対して、冗談を交えたがるのは2人の共通点のような気がする。その冗談の方向性は勿論違うと繰り返したい。ただ、それを生業とするのえるくんと比べたら優先順位が誰でも低くなるだけで、誰かを楽しませたい、という気持ちはマークものえるくんも同じなのだ。

 

他にも熱血なところや、向こう見ずになる瞬間など、挙げたらキリが無い。でも、視点をズラして「アイドルなのえるくんの中の、素に近い部分」ものえるくんなのだから、と思うと、もう少し計算してからブラッキーの所へ行ったんじゃ、とも考えられる。全てが一緒では勿論ない、でも、白黒ハッキリさせるほど、2人が違う人物と言い切りたくない。

 

こうして考えているだけで、自分はもう既に、のえるくんの演技にもマークにも魅せられているのだろう。今後も観られるのならば、未来が明るく見える。

 

ここまでお読み頂きありがとうございます! 薮宏太くんのオタクとしてもブログ書いてます。是非に。↓

鮫が空を泳ぐ時

メッセージに込めた弾丸が僕に届いて

 

 

 

2019年にミュージカル「ハル」を友達と観に行った時だった。席に着いてしばらく、横の通路を颯爽と歩く人がいた。友達が言った。

 

「金髪だから目立つね」

 

会場全員が、誰だか分かった上でその人に見蕩れていた。自分は如何にも、そうじゃないという口ぶりで返事してしまった。

 

「今日は薮くんを観に来てるから……」

 

そう言って友達から目を逸らした後の光景は忘れられない。

 

見学では珍しく、前方で列の中央の席に通されてしまっていたのを。もう2人いるメンバーが気づかないうちに先に座っていたのを。そこ目掛けて、でも同じ列の人たち全員に至極申し訳なさそうに綺麗な金髪を下げながら少しずつ進んでいくのを。

 

なんならカーテンコールで、薮くんにもしめちゃんにも手を振って貰えて嬉しそうに高速で手を振り返してるのも覚えてる。今でもほぼセリフを言える物語と同じぐらい。そして、あの日、帰り道で何となく思ったことも、憶えてる。

 

あの人も舞台映えしそうだな。観たいな。

 

電車で1人、首をブンブン横に振った。犬か漫画みたいに。次は2週間後、大阪で「ハル」を観るんだから……。

 

カバンのヘルプマークの赤も、思い出せる。6時間もの手術から1週間経った日。術後3日で「ハル」行くぐらいは元気だけど、気は弱ってたかもしれない。

 

弱ってるから、ほんの気の迷いだ。明らかに倒れる前より薮くんにも「ハル」にも感情移入し過ぎだったもの。まさかねぇ、まだまだ薮担でいたいよね。

 

そう、その時は多分、ほんの気の迷い、でした。それは紛れもない事実。その時は。

 

お陰様であれから5年、すっかり元気になった。どれぐらい元気かと言うと、それまで訴えてた他の病気ともご無沙汰である。「ハル」以降の薮くんの舞台現場にも欠かさず行ってる。

 

1公演だけ、虎者2021にも行くぐらい元気になった。あの時よりも白っぽい金髪を揺らしながら崖から這い上がってくるその人は、やっぱり舞台映えしてた。新橋演舞場だったので、花道を颯爽と駆けていた。

 

また倒れたりさえしなければ、この記事をあげる日、その人がW主演を務める音楽劇の初日公演に行く。どうやら今回は黒髪らしいが、あの時の「観たいな」がまた叶う。口酸っぱく言われてきたから、守らなければならない。

 

健やかに生きて

 

薮くんも10月にミュージカルに出る。行きたい。自分の気持ちに、正直に。

 

発表を受けた上での年間スケジュールを見るとまた倒れそうだから、気を引き締めないといけない。「観たいな」を全部叶えるというのは、そういう事だ。ただ、目の前のことにまず集中する、そんな自分は曲げたくない。

 

曲げられないのかもしれない、そんな自分から、御礼も込めて。

 

川島如恵留くん、音楽劇「A BETTER TOMORROW ―男たちの挽歌― 」初日おめでとうございます。W主演、どうかご無事で。これからも、素敵な出会いと思い出がたくさん、板の上でありますように。

 

試練の星のひとかけら さあ呪文を唱えよう~Travis Japan デビューコンサート"The SHOW"新潟公演2日目2公演レポ

2023年1月、遂にあのTravis Japanがデビューコンサートツアーを開催した。待望のアリーナ単独公演、待望の初公演都市も加わるなど開催自体にも期待が込められた今回のツアーに、自分も「のえ担」として参戦。Jr.祭りや行ったライブのバックに着く皆様は見てきたけれど、トラジャの単独ライブに行くのは初めて。熱気冷めやらぬまま、記憶に閉じ込めるべく、ハイライト的なレポを残す次第。

 

ちなみに自分が行ったのは2日目、2月19日の昼公演と夜公演です。公演毎の違いも追記していきます。あと、のえるくんロックオンな主観多めです。

 

 

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街中でチラホラ見かける新潟のシンボル。せっかくなので新潟駅近くにあるホワイトで1枚。朱鷺メッセ近くにもオレンジがある

 

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2月の新潟でライブをやる猛者ことトラジャ。県内該当市外、新幹線の車窓はご覧の積雪量。市内はそこまでだったけど降雪も積雪も有りな参戦に

 

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今回の川島如恵留くんのうちわ。死ぬ前に見る夢すぎるカッコ良さ。お気づきの方もいらっしゃると思うが、朱鷺メッセの写真は強風と雨天で1枚も無い

 

セットリスト

 

  • OP映像
  • THE SHOW
  • PARTY UP LIKE CRAZY
  • JUST DANCE!
  • 自己紹介

 

Act1 - Hollywood -

  • Put on a Happy Face (少年隊/Dance ver.)
  • 夢のHollywood
  • Happy Groovy (ジャズver.)
  • Swing my way(新曲)

 

Act2 - Electronics -

  • FIRE!! (Kis-My-Ft2 ユニット曲/Wカイト)
  • PINEAPPLE (V6/ Shizu メイン)
  • GET ALIVE × Lock Lock Remix

 

MC

 

Act3 -Japanesque-

  • ダンスコーナー
  • 和太鼓コーナー(Gentaソロ)
  • VOLCANO (和楽器ver. / 和太鼓:Genta)
  • Namidaの結晶
  • Never My Love (ジャニーズ)
  • 君だけに (少年隊/のえげん)

 

Act4 -Street-

 

挨拶

 

 

AC

 

  • BIGBANG BOY
  • DRIVIN' ME CRAZY(新曲)
  • Together Now

 

OP

 

「Travis Japan Debut Concert 2023 THE SHOW~ただいま、おかえり~」Short Teaser - YouTube

↑とりあえず見てくれ

 

入ってすぐ見えたのがセンステに浮いている球体。なんだろーこれー?とか思ってたらOP映像がここに映し出されてた。え、こういうのってメンステにスクリーンが合ってそこに映るんじゃないの?と思ってよく見たらメンステが幕で覆われてる。ああ、スクリーン隠してるからその代わりか。なんか「Travis Japan LIVE 2020 ENTER 1234567」に出てきた球体のちっこいver.って感じだったな。このライブ、デビューコンであるのと同時にJr.からの卒業も兼ねてるから今までのライブの集大成で、ハイライトポイントが所々ありました。んで、幕が開いたら……

 

THE SHOW

Travis Japan「The Show」 IMAGE NATION ~全国ツアーしちゃってもいいですかっ!?〜より - YouTube

↑前回のツアーも充分神演出だったが……

 

最初、踊るグループだからステージ上にいるのかな?と思って舞台上に視線を向けたら、居ない。ジャニーズあるあるの上から出てくるやつかなーと上バッ!と見ても、居ない。でもなんかその中間に「居る」んだよね。よく見たら馬鹿デカい車が浮いててそこに7人がいた

 

Travis Japan on Instagram: "⁡ ⁡ Travis Japan Debut Concert Tour 2023 THE SHOW 〜ただいま、おかえり〜 ⁡ We're back here!!!!!!! Los Angeles🇺🇸→Japan🇯🇵 ⁡ #THESHOW #DebutConcert2023 ⁡ #TJgram #WorldwideTJ #Johnnys #TravisJapan"

↑ここに写ってる車に乗ってます

 

デビューコンとは思えないド派手演出で登場するTravis Japan。デビューしたから?渡米したから?なんでか分からないけど、絶対に今までじゃ有り得なかった威厳がそこにある。似合う。本当にカッコよかった。

 

やっと出会えたメインスクリーンには、トラジャが留学してたLAやハリウッドの景色をはじめ、世界中の様々な景色が映し出されてる。んで、ラスサビでお台場の夜景になる。ここが凄く感動する……。ああ、みんな揃って帰ってきてくれたんだ、この素敵な景色を伝えに来てくれたんだ、って。

 

あとのえるくんがサビ以外でカッコつけてくれて、サビでめっちゃ手を上下させて煽ってくれたの嬉しかった。弱聴の自分はいつか耳が聞こえなくなるのでは、という不安と闘っている。そんな自分でも、のえるくんとなら一生ライブが楽しいことがデビューコンで確約された。

 

PARTY UP LIKE CRAZY

Travis Japan I 3rd Place Team Division | Frontrow I Orange County 2022 | #WODOC22 - YouTube

↑これ思い出して泣きそうだった

 

この曲で車が徐々に降りてくる。みんな滝シードの上に上質そうな上着着ててやばいのだけれども、これを脱ぐメンバーもいる訳で。車が着地した時に(車が着地した時に)上着を脱いだメンバーから降りてくるのです。だのに川島如恵留と来たら1番後部座席からなかなか降りてこない。

 

……と思ったら、のえるくんのソロパートをキメキメで歌い終わって急に後ろ向くのね。んで、めちゃくちゃセクシーに上着脱ぐんです。無理(好き)。それ持って車から飛び降りてさ。上着を車に向けてノールックでこっち見ながら放ってさ。先に踊ってる6人に加わってさ。また自分のソロパート歌ってってヤバいだろ。どうなってんねん。好き。

 

自己紹介

 

JUST DANCE!でセンステに行ってたのだけど、そこからメンステに踊りながら帰るハイパー集団。

 

  • 2月19日昼公演

 

1人目の元太くんがちょっとアプデ後で不具合起こしたのか、「おはようございまーす!」しか言わないバグが発生してた。松倉海斗さんに至ってはそれを受けておはようございまーす!連呼名乗り無しで松松やないかい。そんな我が子達が愛しいのえるくんは「1番最初に挨拶したのは松田元太です!」とめちゃくちゃ優しくフォロー。ちなみにまちゅの名前は呼んでなかった。不憫倉さん健在。

 

  • 2月19日夜公演

 

公演間にアップデートが始まってしまったのえるくんが今度は不具合。「いぇーい!」しか言わない。最後に「僕はぁーのえるー!」とちゃんと言ったので花丸。知ってるー!って叫んでいじめたくなるぐらい可愛かった(良い子は絶対真似しちゃダメ)。

 

Put on a Happy Face

 

松倉海斗のソロダンスが宝塚。以上。褒めてます。

 

って言うのだと不憫倉が多すぎになるので……正直、こういうショーっぽいダンスってのえるくんがやるんだとばかり思ってた。のえるくんがアクロバットに関して「全員出来るけど、得意分野をそれぞれ特化する意味で僕が責任を持ってやってる」と言ってたのを思い出した。PLAYZONEで結成されたトラジャ、例え途中合流の人もいるとは言っても、ショーダンスが出来ないメンバーがいないはずが無い。このパートも、あの球体と同じJr.時代のハイライトなんだろう。

 

Happy Groovy

Travis Japan「Happy Groovy」(LIVE 2020 ENTER 1234567) - YouTube

↑5万回言うけど俺はこののえるくんがはぴぐるで1番好き

 

川島如恵留のピアノはヤバいって。賛成コンの配信見ていつか聴きたいとは思ってたけど、まさかこんなに早く叶うとは。お隣には汗だくの元太くん。全然捌けないで喋り倒す。

 

  • 2月19日昼公演

 

急に「ありがとう」と言い出す元太くん。なんならなんか適当に弾いてるし。まだありがとう連呼するから痺れを切らしたのえるくんが「何ですか?」って聞いたら「名前言ってくれて……」。「え?」「ほら、最初……」……あ、自己紹介のこと今お礼言ったの!?えー、可愛いけど意味わかんないけどかわいいし面白すぎる……。理由分かった後も捌ける間際までありがとう連発で、去った後にのえるくんがポツリと「元太の汗が凄い……」と鍵盤が最悪の状態になってしまったことを暴露。ベタベタだったのか、ちょっとミスってしまい、ディズニーキャラのドナルドみたいにぶるぶるぶる……と首を振る。かわいい。

 

  • 2月19日夜公演

 

元太くんが全然帰らない。すると今度はマイクも通さずなんか言ってる。「え?」とのえるくんが聞き返すと、「今日ものえるです」と元太くんは言い出す。「いや、あなたはのえるじゃないですよ」という至極当然のツッコミが飛ぶ。でも懲りずに「今日ものえるです」を連発。挙句にのえるくんに「今日ものえるです」を強要。生で聴けちゃった……可愛かった……。久々で恥ずかしかったのか、この日もピアノがミスで中断してしまった。でも綺麗なのは伝わる!人前で演奏出来る腕があるだけで充分、心から尊敬出来ます。

 

ジャズピアノに苦戦を強いられた様子が2023年3月14日ののえまるに記されている。13度ってやばいな、とジャズはやった事ないけど音楽経験者は何となく想像出来る……。1月ののえまる定期更新では、お正月の過ごし方として「家でも出来る練習」を1つに挙げてたけど、きっとこれだろうな……本当にありがとう……。

 

2番でダンスに合流するのえるくん。渡米中にジャズダンスがさらに好きになった!って言ってたから、見られて本当に嬉しかった。でも、他のダンスと「楽しそう」とか「得意げだぁ!」とかの差が良い意味で無くなっていってるって発見はこの曲でより感じた。

 

Swing My Way

 

"New Song"ってスクリーンに出てきた時めっちゃええー!?って言ってしまった。ここで持ち込んできたの納得なぐらいJazzy。のえるくん好きそうー!!ってなってたらのえまる定期更新デビューコン裏話編で唯一触れられた選ばれし新曲だった。のえるくんだけ弓矢のリリックダンスあるのはズッキュン。

 

  • 2月19日昼公演

 

実はピアノのくだりから右腕の裾がずっと捲られたままだったのえるくん。多分それ、左腕の長袖が正解だよね……と思ってたらこの曲で右手を見る振りの時に「絶対に見てるぅぅぅぅ」ってなった瞬間があった。でもね、のえるくんは凄いから。気づいたのか気づいてないのか分かんない顔のまま振りに合わせて裾伸ばしてた。最高。

 

FIRE!!

 

ガヤキタのみんな大好き!!な曲をWカイトで。最初からずっといる球体が気持ち大きくなってビリビリしてる。これを囲んだり、引き寄せたり、2人で触ったり、なんかまた膨らんだり、変化しながらのパフォーマンス。球体に左手翳してる中村海人のしたり顔が好きでな……(のえ担)。

 

てか今更だけど、Actが計4つに別れてるの良いな……4回違うショーを見たみたいで充実してた。

 

Pineapple

 

令和版最強の遠距離恋愛ソングがここでセットリスト入り。これはヤバい。ダメ。だってさ、

 

画面の向こう 朝陽の部屋 

ほお張るメロウイエローなパイナップルを

見せびらかし あなた 笑う

こっちはもう 雨の夜さ

 

ウチらじゃん。トラジャ渡米中のウチらじゃん。時差がある遠距離恋愛の歌はあんまり無いよ本当に。ドンピシャで選んで来たのか。ドンピシャで選ぶぐらいトラジャも感じてたのか。泣いて良いか?許可無くても泣くぞ。

 

本家リスペクトな椅子を使ったパフォーマンス。トラジャオリジナルな部分もあるけれど、椅子使ってやってるだけでああああああああぁぁぁぶいいいぃぃぃぃとなるこちら、ジャニオタの始まりが長野担。下で閑也くん、壇上でのえるくんがセンターなのを見てぶっ倒れそうになる。

 

ナミダの2番とかもなんだけど、閑也くんセンターの時に「いけええええええええええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇかませええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」みたいな人格が降臨する。椅子に座る6人を電流みたいに操ってる閑也くん、めちゃくちゃ良かった。

 

その椅子なんだけど、御本家みたいな4つ足があるものじゃなくて正方体のボックスで競り上がるステージに属してるものなんだよね。背もたれも長方体でモニターがついてて、テーマに似つかわしく電流がずっと流れてる。その上に急に乗り出して筋肉めちゃくちゃ使うダンスしてる6人もえげつない。脚投げ出して腹筋だけでで背中倒して戻す振りとかどうなってんだろう。ちょっと言葉で説明出来ないから全員円盤化されたら見て……。

 

Lock ALIVE ~ GET ALIVE × Lock Lock Remix

 

もうね、聴いた瞬間に「のえるくん、やってんな……」と思いました(褒めてます)。GET ALIVEの叫ぶようなキーが少し低くなってて、あれ?という出だしで始まるんですが、これもまた良い。Lock Lock聴こえた時に全てがつながって、衝撃ったらない。

 

ファンになった直後、のえんちゅが好きすぎて2人のエピを探してる時、新幹線で隣の席になってうみくんがのえるくんにこうアレンジして欲しいって頼んだところ、その場でやってくれて帰りの駅着くころにもう出来てたっていう話聞いてやられてたんだよな。

 

WODの和風アレンジRemixものえるくんがやったんだもんね。本番が終わってWOD振り返りののえまるで「GET ALIVEだけどうしても和風に合わせる事が出来なかった」と泣く泣く諦めてたのを教えてくれてた。報われて良かったげとあら。ときめきもDance with meも和風になれたのになれなかったげとあら。

 

今思えばのえまるにもツアーの為にRemixの作業やってたのかなって文章あったけど、「創作意欲が止まらない」ってあって。多分、その創作意欲の延長があの背景の映像なんだと思う。最初は黒い絵の具が垂らされてるところに、赤が交じる。GET ALIVEの時だけ赤なんだ、と気づいた時、Lock Lockがかかって青が加わる。紫に見える部分もあるけれど、決して完全に混じることは無い、その事実に強さを感じる。それぞれの曲の良さを否定しない感じが好きだった。

 

そんなこんなで、のえるくんのRemixだ、Remixと言えば川島如恵留だ、となってたのに。やっぱりのえまるで僕がRemixしました!!名付けてLock ALIVE!と言われたら新鮮に驚ける。あれだけのことをのえるくんがやったの……?と驚ける、良質なRemixだった。多分、自分の表現したいことがこのRemix自体に詰まってるからだろう、他の曲とまた違う類の自信にあふれたパフォーマンスするのえるくんがいた。

 

ファンサコーナー

 

急に虎が現れたんですよね、会場に。トラジャのメンバーの暗喩とかではなく、灰色の虎が7匹現れたんですよ。んで、それにみんなが跨るんです。そのまま会場を移動してました。本当だもん。本当に虎がいたんだもん。嘘じゃないもん……。

 

Travis Japan【デビューコンサート】ウラ側全部語ります! - YouTube

↑詳しくは御本人達による証言から

 

ここから3曲かけて7人ともこの通称「トラッコ」と一緒に会場を1周。客席にファンサをしていきます。のえるくんのファンサ、本当に全部衝撃的だった。7割近くが手話。これ、のえ担さんも分かってないと成立しないよね。ぉっょぃ同担が多い界隈……。

 

MC

 

中盤でのえるくんに寄る当時リリース前だった「Travis Japan - The untold story of LA-」の宣伝があったり。ちゃんとコーナー設けてやるの良いよね。この間、6人はステージに散らばって画面が大きく見えるようにしゃがんでてちまっ、としてた。先生の話ちゃんと聞く幼稚園の子たちみたい。偉い。

 

  • 2月19日昼公演

 

いきなり中村海人がいない。6人で挨拶することにめちゃくちゃ困惑してくれるトラジャさん達。頭下げたぐらいでうみくんが上手から登ってきた。「ねぇ!見て!」と泣きそうになりながらうみくんがのえるくんに訴えてたんだけど幻じゃないよね……?いや、きっと事実だ、その後のえんちゅ2人でステージ上且つ上手にある、ステージ裏へと続く階段の方を見てたから。のえるくんが「あ!本当だ!水が無い!」と叫ぶとすぐにスタッフさんがステージボトルを籠で持ってきてくれてました。

 

しかし、スタッフさんが籠を差し出した先にいたのはしめちゃん。しめちゃんもまるでいつもそうしてるかのように(今回のツアーに初めて来た自分はマジで信じた)籠を持ってメンバーの元へ。それを見たうみくんは「俺の仕事取られたぁ……」とこれまた泣きそうな顔で言う。それを見てMCの回しをちょっとちゃかさんに委ねて微笑んで見てるのえるくん。MC開始からの数分間、のえんちゅは先生と幼稚園児だった。

 

  • 2月19日夜公演

 

声援が力になるねーという本当に温かい話をMCでしてくれるトラジャ。どんだけ良い人なんだあなた達……。しめちゃんにいたっては「声援があればバク転も出来るもん……!!」と強気発言。宣言通りにしめちゃーん!!と観客全員で声援を送ると……あれなんだ?横に回転する感じの、なんか見たことないバク転してた。え、なんだあれ?と思ってたら元太も声援受けてバク転してた。Mステでいきなり初めて突然やってから出来るバク転。うわー、すげぇ。+81のA・RA・SHIで見たやつ。2連続でバク転見て(※MCです)、うわあやっべぇとこ来た……となってたらぷんすこしてる可愛い御方が……!!「ねぇ!!僕の時もそのぐらい歓声あげてよぉっ!!」……ごめんねええええええのえるくんんんんん……後半バク転で死ぬほど声出した(当社比)。

 

後半はちゃかさん、しめちゃん、まちゅがお着替えで捌けます。3人が捌けなきゃいけないタイミングでうみさんが構わず元太くんに話振ろうとした時、元太くんがちゃんと戸惑って話止めたの良かったな。でもあれ、多分、うみさんは捌けない元太くんだから話振ったんだろうな……。捌けるねーって言って3人は着替え行くんだけど、もしかしてこっそり行って欲しい派なのかな、と。気遣いが渋滞してるグループ。

 

和楽器コーナー

 

まず、MCが終わった瞬間にセンステからちゃかさん、しめちゃん、まちゅが和装で登場。華麗なダンスがさらに華麗に見える衣装は、白基調で紫のラインが入ってる、というのがベースのデザインだけどよーく見ると1人ひとり違うもの。背面には虎のデザインが描かれていて、しっぽが正面に続いてるという粋な感じ。かわいい。だけじゃない。和が為せる業なのか、凄く美しい。実はこちら、のえるくんがデザインしてくれたものだと後からのえまるで知った……。ますます好きになるじゃんか、衣装も、のえるくんも。

 

そんな衣装の上着部分を脱いだ元太くんが臨んだのが、和太鼓。めちゃくちゃ上手くて……あの、普通に、鼓膜まで響いてて鳥肌だった。後半につれて腕が下がってくる……とかも本当に無い。完全に目を奪われていると、のえるくん、閑也くん、うみくんもダンスの方に合流。からのVOLCANO。全てが良すぎる。

 

Namidaの結晶

Travis Japan「Namidaの結晶」MV (「虎者 ―NINJAPAN―」テーマソング) - YouTube

↑該当チャンネル初投稿動画

 

トラジャ担として初めて行った現場が2021年の虎者だった自分、やっとまた見れた……と胸がぎゅっとなる。ここからは元太くんもダンスに加わります。

 

初めてこの曲を聴いた時はまだトラジャ担じゃなかったけど、本格的に応援するその前から「虹がかかる 雨が上がった丘で 僕は何を見ているだろう」って歌詞が大好きで。ああ、多分、「まだ見ぬ世界」ってデビュー後の世界だよなぁ、と勝手に解釈してたんだけど。デビューコンサートで歌うと、もっと高い丘が、景色が待っているはず、そういう意味で歌い続けられるんだ、と思うと、尋常じゃない鳥肌モノだった。

 

でも、これはこれで「まだ見ぬ世界」なんだよな、と思ってたら、大サビの間で上から大量の……羽根が。こちらの大量の羽根、のえまるで「どか羽根!!」と名付けられていた。うん、確かに新潟のどか雪みたいだね……!!あー、綺麗。このブロック、総じて好きなのにのえるくん無双だと知ると尚更好きになる。

 

Never My Love

 

彼らがジャニーズとしてデビューした意味の全てがここに詰まっていた。

 

君だけに

 

君だけにがやばい。開いた口は塞がらないし、刹那が切なすぎてドライアイになるぐらい瞬き出来ないし、瞬きした瞬間涙が溢れてくる。賛成コンに続いて考察厨を全肯定してくれるようなのえげんワールドが繰り広げられていた。

 

競り上がったところに元太くん、その下にのえるくんがいるという立ち位置と構成。元太くんのステージはこちらに見えている側面がモニターになっていて、元太くんが動く度に波紋が現れるという美しすぎる演出が……。一方ののえるくんの方は、「Namidaの結晶」で散らばった羽根の中でずっとコンテンポラリー。アクロバットも入ってたり、居なくなるかのようにステージに寝転んだり、密度のあるコンテンポラリー。

 

美しいけれど、ずっと儚くて、たまに荒々しくて、1つ筋が通ってそこに気持ちが乗っかっているような、そんなのえるくんのダンス。渡米する前より、ダンスの緩急の中にある気持ちの軸が見える気がした。のえるくんの中で、表現だけじゃなくて感受性も感化されたのかなぁ。両者とものえるくんの中で既にかなり大きなものだったけどなぁ。あぁ、すごいなぁ(人生1周目)。

 

2人は、ダンス、歌に加えて演技をしていた、とも言える。でも、なんか、Jr.の時の2人はあの海の彼方へと居なくなってしまったような気もした。ずっと支え合ってきたのえげん。急に元太くんが「まま」と呼んでもちゃんとのえるくんが対応して成立してたのえげん。新しい自分を引き出してくれた、とのえるくんに言わせて得意気になってた元太と2人でのえげん。のえんちゅ厨の自分を泣かせてきたのえげん……。

 

元太くんが上側で水平線で踊っているように見えたから、のえるくんは浜で踊ってるんだと思ってた。海の向こうにいる人を想ってて、その気持ちをダンスに昇華してて、最後にやっと会えた!ってやってるのかな?というスーパーポジティブシンキング考察厨みたいなこと考えてた。現時点(2023/02/25 17:34:11)ではまだだけど、ロリデみたいに答え合わせした時に死ぬやつかもしれない。

 

あと、今回のデビューコンはJr.時代の集大成なのかなポイントがここにもあって。「Travis Japan Live tour 2021 IMAGE NATION~全国ツアーしちゃってもいいですかっ!?~」という前回のツアー、通称「賛成コン」ではコンセプトとしてメンバーそれぞれがある国の国王という設定があった。加えて各々の担当をプロデュースするという神構成において、元太くんは「-Moon-月の国」の王になり、Hey! Say! JUMPの「Last Dance」をソロで披露した。一方ののえるくんは「-innocent-美の国」で、様々な愛の形をどれも美しいと訴えていた。

 

月が浮かぶ海とのえげんのダンスはまさに美しさそのもの。今までに見た中で1番綺麗な青と白で映し出されたバックスクリーンは過去、歩み出すかのように寄り添う2人は未来だと思った。あんなの見たら激重にならざるを得ない。

 

LET'S MUSIC

 

ラジカセ持ってセンステに現れたギャル姉妹による最高のパフォーマンス。衣装が可愛くて羨ましかった……この時は。ダンスにおいてオールジャンルいけそうな2人がストリートを選んだということに色んな意味を見出している。アメリカでインプットしたものをここでアウトプットしているのも、らしさを発揮しているのも伝わる不思議なダンス。2人の長所だと勝手に信じていた、「表現に見える繊細さ」とストリート特有の大胆さの融合も受け取れる。

 

そして曲とピンクとオレンジのペンライトの配色が合いすぎている。ペンライトなんてみんなの好きにするのがライブだと思うけど、トラジャ担は暖かいなと心から思えたパフォーマンス。

 

Turn up the vibe

 

しめまちゅみたいなストリート系の服着て5人も登場で即夢叶う。のえるくんは緑基調でうみくんと似てるデザイン。このツアーで披露された新曲で個人的には1番好きなので、配信まで何万年だろうと待ちたい所存。

 

上を向いて歩こう

 

そっか、坂本九さんと同じレコード会社なのか。やば。……って多分Capitolと契約決まった時も言ってた気がする。偉大な曲カバーさせてもらえたなぁ……。坂本九氏をメイトって呼ぶ宮近さん、それでも尊敬の念が伝わるのは、やっぱり7人の歌い方が丁寧だからなんだろうな。こちらはトラッコに乗って歌うのだけど、公演毎に違うのえるくんがいたのでそれぞれシェアさせて下さい……。

 

  • 2月19日昼公演

 

トラッコ乗る前からどてーーーーーん、って寝てた。だーーーーーん、って上向いて、しゃきーん!って立って、トラッコ乗って、まだどーーーんって寝てた。……?上を向いて…………歩こう……?ってなって見てる観客の方々も含め、かわいい光景。

 

  • 2月19日夜公演

 

曲に合わせて身体をユラユラさせるのえるくん。乗る前にうみくんと何か話してた。そして、しんみりと上を向いていた。Twitterで色々見て、そういうことなのかなーと思ったり、思わなかったり。誰にとってものえるくんは、愛されるべき可愛い人であって。だからこそ、愛されていることを実感して、愛してくれる人に想いを馳せる時間があって、良かった、って。

 

WODメドレー

Travis Japan | USA Team Division | World of Dance Championship 2022 | #WODCHAMPS22 - YouTube

↑これです

 

前の曲の間、アメリカ留学中の写真がスクリーンに流れてからの、こちら。まさか生で見られると思ってなかった……!

 

あのWODの3日間を終えての感想で「乗り切れたよ!」が先に来たメンバーが、これだけのダンスを、これだけのセトリのここで踊る勇気にまた涙。踊り切れる体力も気概も留学で手に入れたんだ……。しかも、7人全員いる。閑也くんがいる。みんなで踊ってる……。7人でデビュー出来てよかった。この先、ずっとみんなでダンスが好きでいられますように。

 

挨拶

 

JUST DANCE!のバラードver.を一節歌った後、7人全員が個人で挨拶。……あれ音源欲しいな。ワンコーラスでもいいからまた配信してくれないかな。SHOCK組はセンステ、しめしずWカイトはメンステで。せっかくなら7人分の挨拶を……と思ったけどここまでで充分な文字数なのでのえるくんの挨拶をそれぞれ抜粋してちょっと思ったことを書き留めておく。自分の為に。

 

  • 2月19日昼公演

 

「僕の好きな作品に、ヒーローが活躍するというお話があります」と、ヒロアカの話をする回。大好きな作品に準えて話すのだからポジティブにいくのかと思いきや、「この世界に、ヒーローはいません」とキッパリ。残酷なことを、でも当たり前のことを、はっきりと言うのえるくん。「でも、生きるという目標の為にアイドルをしています」と続ける。アイドルがいるから、救われる瞬間がある。のえるくんがいるから、生きたいと思える明日がある。うん、負担にならないように聞いて欲しいけど、貴方はやっぱりヒーローだ。

 

  • 2月19日夜公演

 

Travis Japanは不器用で泥臭い感じで、見る人によっては遅咲きだと思われてしまうくらい粘り強くやってきた」。……それがトラジャの良いところだと自分は思うけど、常にアイドルに華やかさを求める人はそうでも無いのか。一瞬自分が迷うと、「好きな言葉に大器晩成という言葉がある」と続けてくれる。「すぐに大きな花が咲かなくても少しずつ大きくなって、いつか大きな花を咲かせられるように、そのお花で1人ひとりを包んでいけるようなグループになりたい」。凄いな、デビューはまだつぼみなんだ。日本語では真に美しい器を創るのに時間がある、いう意味の言葉。実は英語だと"Grate flower blooms late"、「大きな花は遅咲きである」と表現される。沢山の表現を携えて、のえるくんは世界を駆けていくんだ。そんな予感のする挨拶だった。

 

JUST DANCE!

Travis Japan - 'JUST DANCE!' Music Video - YouTube

↑まじでかっこいいから見て

 

2回目とはいえ本編最後にデビュー曲を持ってこられるの、トラジャならではな気がする。デビュー前でオリ曲沢山は本当に恵まれている。多分、分かっててここにフルver.を持ってきたんだろう。でも、2回目だからこそのデメリットもあるのでは無いだろうか。1回目に比べて体力の無さが見えるとか。でもそんなの関係無いトラジャだった。デメリット無かった。しかもそこから階段駆け上がって本編終わるからすごい。自分は一体何を書いてるんだ本当に。

 

DRIVIN' ME CRAZY

 

どんだけ新曲抱えてるの!?なんか、とんでもないタイミングでリリースされそうでめちゃくちゃ楽しみ……!!なのはさておき、JUST DANCE!の最後のままアンコールをずっと階段上で待ってて、BIGBANG BOYからの、これ。すんごい自由。

 

  • 2月19日夜公演

 

寝っ転がったまちゅに便乗して階段で寝っ転がるのえるくん。……と思いきやしめちゃんも合流。のえしめはまちゅの後ろに合流してたのに、元太くんは前に合流するの……松松……すぎる……。その後ちゃかしずも連なって寝そべってはい、可愛い。そんな6人を「っはーーーーしょーがねぇーーーーくっだらねぇーーー」って顔でどーん、俺はやらんぞとばかりに仁王立ちするうみくん。……でも最後には1番前でびゃーーーんって寝そべってた……(泣)。自分で書いててあれだけどこのブロック最初から最後まで可愛い。

 

Together Now

Travis Japan「Together Now」(LIVE 2020 ENTER 1234567) - YouTube

↑今回は沢山人がいたよ……

 

あんなに踊ってたのに、疲れた顔1つ見せず、最後はアリトロで向かってくれるトラジャ。そんな優しい人にこんなの歌われたら堪らないよ。のえるくんは概ねトラジャと変わらない手話で歌ってくれた。最後の曲でこんなにもできるだけ近づき、距離が近いような歌詞の曲を歌ってくれる。これからは、いや、これからも、ずっと一緒だよと言われてる気がした曲。最高の締めくくり。

 

所感

 

話が大幅に逸れるだけで無く、完全に自分の話になってしまうのだけど、先日こんな稀有なことがあった。今まで何度もネットで検索して出てこなかった情報が、雑誌でポン、と見つかったのである。そういう利点もあってとある人は自分にその雑誌を薦めてくれたのだろう。この約5年で見つからなかった情報に出会った時、あまりに自然に、且つ唐突に出てきたので見逃しそうになった。

 

対象の減少という理由に負けず、どんな書媒体も絶やすな、とデモを起こしそうになったのはまたさておき、何が言いたいかというと「〇〇にしか出来ない役割がある」ということである。今まで自分は「あらゆる媒体から情報を瞬時に掻い摘んで提示するもの」がネットの利点だと思っていた。あれだけ読書をしながら、「本を読む時間がない人の為にネットはある」、「ネットで得た情報を深める為に読書がある」と勘違いをしていた。書媒体にしかない情報もあるのだ。

 

万物に同じことが言えるなら、「Travis Japanにしか出来ないこと」も存在するのではないか。ペインぱぱの子供達であり、ジャニーズとして育てられ、長い間Jr.として活動し、ダンスを武器に、渡米も経験し、事務所初の世界デビューをした「アイドル」である、彼らにしか出来ないことがきっとあるはずだ。ここまでの道程ですら、彼らにしか出来ないこと尽くしである。ここからハイスピードで飛ばして偉業を成し遂げちゃうんだ、幕が開いて7人が登場した時にそう確信したのだ。それを証明する為の、今回のショーだったんだ。